伸びる子のプログラミング学習方法(プログラミング教育の難しさ)
小学生にプログラミングを教えていこうと思い、簡単な例題を作ってみているのですが、例題を1つ作っただけで問題点が山ほど出てきて分かったのですが、結構ハードルが高いと思ったので記録しておこうと思います。
プログラミングを一般の親御さんや学校の先生が教えていくのは、かなりの無理ゲーなんじゃないかと思います。
1.親がプログラムについて理解しているか
⇒ もう一発目から挫折しそうです。
まずほとんどの方がプログラムについてはあまり理解していないと思われます。
理系の技術職や研究職でプログラムを作ったりす方は理解があるんじゃないかと思います。
この「親がプログラムについて理解しているか」という点がなぜ一番に来ているかという点なのですが、
親が理解していない=プログラミング教室に行く、ということになるのですが、そうなるとプログラミング教室の
優劣や通わせて良い時期などがさっぱりわからないので、言われるままに金を取られるか、プログラミング自体を
学業から切り捨てるかのどちらかになってしまうのではないかと思います。
2.自宅にパソコンがあるか
⇒ これもスマホやiPadの普及でかなり少なくなってきているんじゃないでしょうか。
最近はテレワークで仕事で使うPCが自宅にあるパターンも増えてきていると思うのですが、仕事のPCを子供が使うって
いうのもセキュリティ上どうなの?と思いますし、時間もカブってしまうため、仕事用のPCでプログラミングを学ぶ
のはおすすめではありません。
3.キーボードがすらすら入力できるか
⇒ ほとんどの方がこの「キーボードの練習」というのをすっ飛ばしていきなりプログラミングを教えようとしている
のですが、プログラミングはキーボードが入力できなければ実現できないため、ここは必ず抑えておかなければ
ならない点です。GIGAスクール構想でタブレットを配っているようですが、基本的にはキーボードが一番高速な
入力デバイスなので、キーボードがないと意味ないです。
4.エクセルとPythonをインストールできるか
⇒ もうこのレベルになると一般の家庭では無理です。エクセルは買ってきたPCにプリインストールされているとしても
Pythonをインストールするというのはかなりの難易度が高いと思われます。
5.エクセルでフローチャートを描けるか
⇒ プログラミング教育を行う際にプログラムの動作を理解するためにフローチャートを教えると思います。
最初は手書きでノートに描くのでも良いかと思うのですが、なんのためにプログラムをやっているんでしたっけ?
2021年にもなって「まだ手書きで消耗しているの?」とか言われてしまいます。また、簡単にフローチャートを
描けるサービスやツールがありますが、社会人になってデファクトスタンダードなエクセルで作図ができることが
最低限のビジネススキルだったりするため、この点は早い段階からマスターしたほうが良いと思います。
6.プログラム開発の工程を理解しているか
⇒ プログラミングを教える際に、ScratchやPythonを使っていきなりコーディングをすると思うんですが、
設計をするという工程や単体試験をするということを身に着けなければプログラムが完成しないということになります。
7.プログラムをカスタマイズできるか
⇒ 最後に生徒本人の素質に大きく依存する部分ですが、教科書や例題で学んだプログラムを自発的にカスタマイズしたり
拡張したりできるかという点が伸びるかどうかに帰着します。
これはどの教科でも同じだと思うのですが、公式や過去問を覚えるのではなく、自分で数字を変えて違う問題を自分で
作り出すことができるか、つまりこれが「自分のものにする」ということができるかどうかという事になります。
総括
プログラムを作成するまでにいくつもの難関がありますね。
プログラミングというのは特殊な技能なので、一般の人が宮大工の勉強をしようとしているのと同じだと思います。
多分、義務教育で習うのはどちらかというと上流工程の方なのでしょうか。
どっかのツイッターで流れてきた様に「業務レベルではプログラミングオタクには敵わない」と思います。